おにきりのおいしさは、まずお米にある。
次に、握り具合にあり、次が塩だと思う。
そして海苔にあり、最後に具だろう。
つまりいかにおいしいおにぎりでも、具がいま一つだとがっかりである。
だから初めて行くおにぎり屋の場合は、塩にぎりを頼む。
新潟駅から歩いて5分の、「にぎり米」に行った。
塩むすびとすじこにぎりを頼むと、おばちゃんが型に米を詰め、具を配置し、型押しした後に手で握ってから、海苔を巻いて出してくれた。
おむすび型である。
まずは、塩握りから行こう
一口食べて、目が丸くなった。
米が甘い。
ふわりと握られた米が、口の中ではらはらと舞って、甘い香りが鼻から抜けていく。
幸せだなあ。
夢中で頬張って、すじこ握りに手を伸ばした。
一齧りすると、赤い粒が顔を出した。
うむ。
米の格に、すじこが負けている。
このおにぎりには、最上質なすじこでしか渡り合えない。
すじこを頼んだ自分を反省した。
よし今度は、海苔も外してもらった、正真正銘な塩むすびを頬張ろう。