麺をすすろうと口を開けた途端に、ネギの甘い香りが飛び込んで来た。
淡い醤油色に染まった麺は、見た目ほど塩辛くない。
醤油の旨味だけをそっと忍ばせて、口元に登ってくる。
そしてネギの様々な香りや味わいが舌を包む。
作った葱油と醤油だれと、使ったネギと干しエビを見せてもらった。
葱油を舐めるとそれは、甘いような爽快なような香りが揺らぐエレガントがあった。
ネギはこんなに焦げているのに、葱油は汚れが微塵もなく、透き通っている。
太いネギの青い部分と細いネギ、玉ねぎを(%は秘密だという)、120度から160度に徐々に上げていきながら、二時間脂で炊いていくのだという、
この店には葱油の選任の担当者がいて、二時間鍋から離れず、焦げが油ににじまないよう注意しながら、じっくりと揚げていく。
なんでもアラン・パツサールは、この葱油の秘密が知りたくて、2度店に足を運んだという。
麺は、特注の麺で、アルデンテに仕上げ、茹で上がったら手早く調理する。
干しエビもこのサイズのものが一番旨味があるので、これ以上小さいものは使わない。
开洋葱油拌面。
濃すぎす薄すぎす。
葱油の香りに敬意を払って、ただ一点の味にピタリと決まった和えそばは、箸を持つ手を止まらせない。
上海「建国328」
沈建明シェフが作った、この店の素晴らしき13皿は、下記のページにて公開中。