初ホップ

食べ歩き ,

初ホップである。
どこかのブュリュワリーを訪ねた時、かじった記憶はあるが、こうして料理としていただくのは初めてである。
表皮には、毛のような柔らかい棘がある。
噛めばしんなりシャキシャキとして、野草ならではの爽やかな香りが鼻に抜けていく。
やがて次第に味が起きていき、最後にほのかな苦みがふっと現れる。
古来、日本にこの野草はなかったはずだから、どこかで植栽したポップからタネが飛んできて自生したのだろうか。
「今朝山に入ったら見つけたので、採ってきました]。
そう「三城」の女将は言われて、静かに微笑まれた.