甘味処「花」の氷杏

食べ歩き ,

夏が近づくと、神楽坂に足が向く。

甘味処「花」の氷杏を食べるためだ。

使われるのは缶詰ではなく、吟味したカリフォルニア産の干し杏を、弱火で丹念に煮込む。

ふっくらと肉厚の果肉に、歯が食い込んでいく快感。

ほほの内側をくすぐる、敵妙な砂糖によって生きた杏の酸味。

普段感じたことのない杏の力に目を丸くする。

ついでに名物白玉も加えて、その羽二重の如き滑らかな食感と一緒に、夏をじっくりと満喫する。

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