《洋食おがた ミーツ サスエ&サカエヤ》VOL4
ごくん。
喉が鳴った。
薄く切られた肉なのに、エキスがとどめもなく溢れてくる。
喉がなるほどである。
サカエヤ新保さんが手当てした、藤井さんの近江牛のマルシンを使ったのローストビーフである。
塩をふっておいた肉をリソレして、100度で5時間ローストしたという。
ローストビーフは大抵、噛んでいくと味が薄くなっていく。
しかしこのローストビーフは、噛んでも噛んでも味が消えない。
濃い肉の味が喉に消えていく瞬間まで続くのである。
いつまでも噛んでいたい。
そう思わせる肉は、醤油に漬けようとも、醤油に勝るのだっ