おいしい料理とは、「これおいしなあ、みんなに食べてもらいたいなあ」と、素直な心で料理されたものではないだろうか。
ここには、そんな「気」が満ちていた。
コノシロの酢締めを乗せた、じゃがいもとさつまいものポテトサラダも、陳皮を加えたひじきと黒豆の煮物も、塩豚とかつお菜と金柑の炒め物も、春菊黒酢あえも、イトヨリ南蛮漬けも、かます麻辣ソースも、四川児菜の胡麻酢も、黒毛和牛の焼き肉も、明太子や渡蟹、車海老、ゆで卵のの紹興酒漬けも、みんながみんな耳元で、「どうおいしいやろ」と、優しく囁いてくる。
そこには自我やてらいがなく、作り、サービスする女性たちの笑顔につながって、我々の心と体を軽やかにする。
こんな食堂が全国にあったらなあと、思う。
福岡大名ようはにて。