「妻と一緒にビールが飲みたかったんです」。
高知でクラフトビールを作る瀬戸口さんは、電気技師から転身した理由を、静かに語られた。
「元々ビールが大好きで、よく飲んでました。ところが妻は、ビールが嫌いだったんです。一緒にビールを飲みたいなあと思ったのがきっかけだったんです」。
ある日奥さんがIPAなら飲めると言ったことにヒントを得て、甘味と苦味のバランスが良く、酵母の旨みが生きたビールを目指す。こうしてできたTOSAKOは、種類も増え、米や柚子、バナナや日本酒酵母といった高知県産の要素が加えられて作られる。
飲めば、高知の雄大な自然があり、瀬戸口さんの誠実で優しい人柄が、味に染みている