「おい、来たな」
「そやな、ようやく固形物が来おった」
「そろそろ働かなしょうないな」
「あんたも久々やろ、こんなに休んだの」
「胃袋はん、ほんまや、いつ以来やろ」
「この人風邪もひかへん、下痢もせえへん、病気かてちっともせえへん。だから働きづくめや」。
「確か、17年前に胆嚢をとったやろ、あの時以来やな、長期休暇は」。
「腸さん、あれ以来働きづくめやったな。胆嚢とったゆうのに、揚げモンようけ食べるしな。とんかつなんか一週間に一回は食べてるで」。
「よう食べはるし、よう飲みはる。一回海外で、1日に7回、4日で21食を食べられた時には、ワシらも限界を感じましたわ」
「でも限界にはまだ上の限界があるいうことを教えられましたわ」。
「胃袋はん、しかし今回はなんで4日も休みくれたんかな」。
「なんでも、痩せるの、金を賭けとったらしいで」。
「結局は、金かいな。でも金でもなんでも、休みくれたから、ええわ」。
「そやな、でも休み明けにいきなり、カツやら、パンやら、ご飯やら、鶏肉やら、牡蠣の揚げ物やったのは、まいったな」
「昨日まで眠ってたんやから、スローなスタートを切って欲しかったけどな。まあこの人らしいといえば、そうやろうけど、結局は、我々が信頼されているんやないか」。
「そや。そんじょそこらの腸や胃袋と一緒にされたらかなわんわ。ワシらは、筋金入りや」。
「働くに追いつく貧乏なし、ていうからな」
「それいうんやったら、稼ぐに追いつく貧乏なしやろ。まあ毎日毎日ハードに働いてきたあ」。
「これからも働くでえ」。
「ああ。でもまた、いつか休んでほしいな」。
「そやな、ワシらもいい加減年やしな」。
来たな
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