教えられる。
この場に立つと、体に眠っていた小さな記憶に、教えられる。
我々人間は、後から来て、自然の片隅で間借りしているだけということを、教えられる。
図々しい顔してのさばっているけど、あなたたちの命をいただかないと生き延びることのできない、弱い動物だということを。
ジビーフは、39頭の牛は、人間が来ても、怯えも、甘えもしない。
人間を特別なものと思わず、泰然自若として、草を食み続けている。
僕らはあなたたちをいただくのだ。
あなたたちの証しをいただくのだ。
あなたたちの唾液と汗と、血と肉をいただいて、ようやく生かされるのだ。
様似町駒谷牧場にて。
教えられる
日記 ,