サク。サクサクッ。

日記 ,

サク。サクサクッ。
冷たい鯉を噛みしだく。
ほのかな甘さは、途切れることなく、ゆるゆると滲み、名水百選の川で育った鯉は、そのミネラルの恩恵を受けた滋味を膨らます。
よくある鯉の洗いのような、不抜けた味ではない。
さっきまで生きていたぞと叫ぶ、命の甘みがあって、どうにも箸が止らない。
有田「龍泉荘」にて」