屋久島で沢山の素敵な笑顔に出会った。
奥さんと移り住んで、素敵なバー&レストラン「散歩亭」をやられている緒方さん。
カラスミ作りをやられている秋本さん
そういえば、店名の由来を聞き忘れたなあ。「じいじ家」のマスターやれんげさん。
「ふるさと」で孤軍奮闘するお母さん。
Uターンで戻ってこられて、素晴らしいすり身製品を作る、「喜商店」の喜さん。
「三岳」の佐々木社長、「本坊酒造屋久島伝承蔵」工場長の沖園さん。
魚の燻製屋、「けい水産」の田中さん。
「土井鮮魚店」の御夫婦。
はにかみながら舞い上がっていた、居酒屋の女性店員。
鯖本枯節「馬場水産」の馬場さん。
「おいしいです」というと、「ありがとうございます」といって、顔いっぱいに笑みを浮かべた「古都蕗」のおかあさん。
びっこをひいているのを見て、「山行ってきたの? 足痛いの? 頑張ってね」と声かけてくれた、見ず知らずの商店の叔母さん。
皆さん笑顔が静かで、柔らかい。
屋久島の食材は、普段我々が世界中のものを食べていることを考えると、乏しいかもしれない。
「毎日トビウオがあれば大丈夫さあ」と愛されているトビウオだって、筋肉質だが脂がないし、南の魚たちはどこかぬぼうっとした味であるし、東京で「うまい」とされる味からは遠いい。
でもそれでいいじゃないか。
普段あれがうまい、これがうまいと叫んでいる自分が寂しくなった。
東京と比べ、遥かに限定された食材と味で、充分な幸せを感じ、東京より遥かに豊かな自然に、日々感謝する暮らしがここにはある。
だからこそ生まれる笑顔なのだろう。
それは豊かな物質に囲まれた中でしか生活できなくなった都会人の、おごった見方なのかもしれない。
しかしこの笑顔に触れ、その意味を感じるため、何回もこの島に通いたいと思う。