札幌「こなから」のご主人小割さんは、根っからの料理人である。
品書きには、本日のおすすめを含む料理が、ざっと50種類。
それを二人で仕込み、調理する。
「常連さんの中には、いまだにランチやらないのとか、15時くらいに来てるのという人がいて、なかなかわかってくれないんですよねえ」と笑う。
「もう少し皿数を絞った方がいいんじゃないですか」と、余計なおせっかいをやくと、
「そうなんですよねえ。でもこんなの入ったよと電話がかかってくると、人のとられたくなくて、料理がしたくて、つい買っちゃうんです。市場だけでなく、浜も行くので、寝る暇なくなっっちゃんです」と嘆くが、うれしそう。
こんな料理人の作る料理は、想像するだけで胸が高まる。
昨夜も数々の料理に目を丸くし、顔を崩した。
同席した喜久川さんと、「うまいねえ、ちきしょう」と言い合いながら、銘酒を何杯もかわした。
〆は、常連さん絶賛の「サバサンド」。
トーストしたパンに、わさび入り自家製マヨネーズと〆サバを挟んだもの。
一口食べて「わっははっ」と笑い出す。
サクッとパンに歯が入ると、マヨネーズの旨味とサバの脂が抱きあって、口に溢れ、わさびの刺激が追いかける。
酒が進むサンドイッチなんて。ははは。まいったなあ。
小割さん、睡眠時間は短いかもしれないけど、こんなに人を幸せにさせるあなたは、素敵だなあ
札幌「こなから」のご主人小割さん
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