<シリーズ食べる人>蕎麦屋編2

日記 ,

<シリーズ食べる人>蕎麦屋編2
2名の中国人の方が、蕎麦屋にいた。
メニューの写真を見ながら、「かき揚げ ざるそば」を頼まれた。
やがて登場した「かき揚げ ざるそば」を見ながら、困惑をした顔をしている。
1. ざるを持ち上げて、下の皿を眺める。
2. 猪口に入ったつゆの匂いをかぐ。
3. そばをまず、そのまま数本食べた
「おっ、通なのか」と思ったが、次の瞬間には、ネギをそばの上に全部ぶちまけ、さらにつゆをドレッシングの如くたらたらとかけ始めた。
「そうじゃないだろう。隣でざるそば食っている奴がいるだろう。見習うんだ。今すぐに」。
二人には、そんな心の叫びも届かない。
よほどキツネをやめて、ざるそばを頼み、食べ方を実践指南して、日中友好に貢献しようとかも思ったが、人間はどのように学習していくのか、見守ることにした。
1.かき揚げはそのまま齧っていたが、ちぎって食べるようになった。
2.かき揚げを猪口のつゆにつけて、うなずく。
3.そばにかけていたネギに違和感を感じたらしく、再び小皿 に戻すも、全部拾いきれず。
4.そばを食べながら二人で協議をしている。
「味がまったくしねぇな」。
「ソースをかけても、ざるから下に落ちちて、からまないしな」。(たぶん)
5. つゆをネギとわさびの入った薬味小皿に少量投入。そこにそばを浸けるという、至難の技を生み出した。
6. 上からすすっても味がしないので、小皿に少しだけ浸かったそばの部分を高く上げ、口に落としいれる。
7. 再び協議。
「これ腕が疲れるな」
「日本人は忍耐強いと聞いてきただろう」(たぶん)。
8.ついに一人が、猪口にそばをつけることを発見。パチパチ。
だがそばは、もう数本しか残っていなかった。