駅弁勝負第72番

駅弁 ,

駅弁勝負第38番
嬉しかった。
嬉しくて、つい大人買いしてしまった。
かつて東京駅で買える駅弁で、ベスト1に推していた、八戸吉田屋謹製、分とく山プロデュースの弁当を見つけたのである。
老舗弁当屋の矜持と技術、理論派プロの料理人とのコラボは、一つ一つのおかずの味わいに驚きと喜びがあった。
だかその弁当は、売り場のあったセントラルコートの改築とともに姿を消した。
ちなみにその弁当売り場で売っていた弁当で、現在も残っているのは、賛否両論の弁当だけである(やはりテレビは強い)
その幻のコラボが、姿を変えて目の前にある。
一も二もなく購入したが、嬉しくて吉田屋の通常の幕の内も買った。
この幕の内が素晴らしい。
味付けの妙、無駄のなさ、食材の質、すべて質が高い。
あえての欠点は、茹で芝海老がいらないのと、鳥唐揚げにタルタルソース入らない。その二つをなくして、シュウマイ用の醤油をつけて欲しい。
とにかく、東京駅で売られている、数多くの幕の内弁当を、はるかに凌駕している。
さて続いて、分とく山である。
見ていただきたい。この詰め方がまず素晴らしい。
幕の内弁当の基本は、詰め方にあるが、この無駄の無さと色合いのバランスがお手本である。
そして味付けが、駅弁でありながらもやりすぎていない。
ご飯が恋しくなるギリギリの淡さで止めている。
一番期待していなかったのが、帆立煮である。
凡百の弁当内帆立は、形状以外、帆立出会った頃の思い出は捨てている。
ところがこれは、柔らかく味がしみながら、帆立の味が伝わってくる。
そして圧巻が鮭ハラスで、脂がのってるがいやらしくなく、分厚い身に歯を入れる喜びがある。
どちらもお値打ちの弁当で、吉田屋の底力が見えた。
分とく山は、改札外のニュウデイズしか売ってないので、注意。
あっ。あまりに集中し過ぎて、勝負するの忘れた。