白子は生きていた。
加熱されているのに、体内にいる時と同じく血が流れている。
加熱されているのに、外側と中の食感が変わらない。
茹でれば、外側はわずかに固く、中はふわりと仕上がる。
ソテーすれば、外側はカリリとなって、中はねっとりだ。
しかし、薪の熾火で慎重に炙った白子は、外側は柔らかく、中もとろりと柔らかい。
味わいを濃密にしつつ、彼方まで澄んでいる。
これこそが、ああ。これこそが官能だ。
ピメントを忍ばせた徳谷トマトのピュレとオゼイユを添えて。元町bbqにて。
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