焼しゃぶである

食べ歩き ,

焼しゃぶである。
牛バラ肉の極薄切りを、炭火の上にどさっとのせては、焼いていく。
そいつを青ネギの入った酢醤油で食べるのである。
「チャドルバギ」1人前140g1800円と、ソウルにしてはお高いのだが、困ったことに、薄切り肉、そして酢醤油であっさり食べるということで瞬く間に1人前は消えてしまうのである。
網にこびりつく肉を、こまめに返していたら、「ダメダメ、肉が千切れちゃうからだめ」と、お兄さん。
ちょっと赤色が残るくらいのレアで食べようとしたら、「ダメダメ、よく焼かなきゃ」と、お母さん。
しびれを切らし、お母さんが焼いてくれる。
焼けたら銘々の皿へと、流れる動きで次々と食べる。
肉は薄いが香りがあって、脂は多いが、酢醤油の酸で緩和されて、止まらない。
焼いたにんにくと一緒に食べても、うまいのだな。
さっき内臓クッパ食べた事なんか忘れたぜ。
見事に食べ終え、テグタン注文。
おお、テンジャンの優しき味に、牛肉の滋味と脂の甘みが加わって、こりゃあ困ったなあ。
酢醤油のタレを少し入れてもまたうまし。
お腹いっぱいだが、するりと入って、笑いが止まらん。
クセになったがここはソウル、どうしてくれよう。

ソウルは三角地の人気店「ポンサンチム」にて