栗の甘さと無常。

ポエム ,

甘い。

だがこの栗に比べたら他の栗の甘さは、なんと不自然なのだろう。

甘さが静かに立ち上がり、口の中をたゆたっては、消えていく。

瞑目し、丸く、つたない甘みの余韻を噛みしめる。

この丹波栗を生みだす大月さんは、農薬を一切使わず、手で害虫を取っていくのだという。

自然の甘さとは切ない。

それは甘さに、自然の無常がしみ込んでいるからだろうか。