<駅弁勝負> 第51番     崎陽軒炒飯弁当のお作法。

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  • 崎陽軒炒飯弁当の食べ方

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崎陽軒炒飯弁当の食べ方。

たまに浮気をする。
よしここはシウマイ弁当だろうと決意していたのに、隣に並んでいる炒飯弁当か、急にいじらしくなって、つい買ってしまう時がある。
そして食べる。
おいしい。
おいしいのだが、食べ終わって思う。
やはりシウマイ弁当にしておけばよかったと、反省するのである。
こういう話をすると、あ、私も、俺もと賛同する人が多い。
人間誰しも魔がさすのだ。
そんな魔がさした時の、炒飯弁当の食べ方を伝授したい。
まず布陣は、炒飯、シウマイ三個、鳥唐揚げ2個、みんな大好き筍煮、生姜、そして、風味蒲鉾とクラゲ、錦糸卵の酢の物と、塩焼きそばである。
炒飯は、シウマイを食べてそのまま掻き込めるように、薄味にしてあるが、結果として評判があまりよろしくない。
何かパサパサで味気ないなどという、いわれのない評価をもらう要因となっている。
そこで。
醤油を一滴ずつ、満遍なく要所要所に垂らすのだ。
するとどうだろう。途端に食欲が掻き立てられるではないか‼️
さらに。途中で生姜と合わせても面白い。
そして。
終盤には、筍を全部炒飯にかける。
さすれば、筍の食感、甘辛味が加わった、どこにもない炒飯の出現に、あなたは魅了されるはずである。
さておかずの方だが、シウマイはいつも通り、醤油と辛子をつけるが、炒飯側のグリンピースをそれぞれに乗せて、「豆増し」にしてもおいしい。
炒飯弁当ならではの、シウマイの楽しみ方といえよう。
塩焼きそばは、炭水化物に炭水化物という、うどんにご飯、お好み焼きに焼きそば、ラーメンライス方向の大衆的鉄板組み合わせなのであるが、弁当=冷えている、という点が弱点である。
だから互いに高め合わない。
そのため、生姜を混ぜる。もしくは炒飯と混ぜちゃうといった荒療治が必要であろう。
さらに鳥唐揚げは、受け止める炒飯に合わせた味付けが必要かと思われる。
そのため蓋に辛子醤油を作り、それにつけて食べれば、見事な調和を見せる。
最後に風味蒲鉾とクラゲだか、味付けがくどく、どうもよろしくない。
シウマイ弁当のマグロの照り焼きしかり、画龍点晴を欠くというか、完璧なのにどこかドジをしてしまう人のような、愛らしさがあるところが、崎陽軒の良さでもある。
そこで、なんとか味を変化させることを試みたが、これだけは強固でいかんともしががたく、結論としては、中盤で一気に食べ、食べたことを自分の記憶から消す。
つまり食べなかったと思い込むしかない。