三軒目は、アルメニア料理である。
といっても、どんな料理か検討はつかない。
なにしろ祖国を失い
虐殺や虐待にあい、放浪を続け、再び集合した、誇り高きアルメニア人の料理である。
紀元前1,000年前に形成され、3,000年間受け継がれてきたという、アジアで最も古い料理の1つなのである。
クミンやコリアンダーが使われたマトンの煮込みは、羊臭とスパイスの香りが行き来する、彼の地のたくましさがあり、素朴な薄焼きパン、ラワシユにつけてたべるといい。
付け合わせは、やはりクミンなどがふんだんに使われだレンズ豆の煮込みに、フライドオニオンの組み合わせで、恐らくは肉と混ぜながら食べるといいのだろう。
路地の奥、薄暗い店内で食べるアルメニア料理は、現在地を忘れさせる非日常があって、意識が霞となりつつメルボルンの夜は更けていくのであった。
三軒目は、アルメニア料理である
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