バスク地方、ドノスティアのバル
「ZERUKO」。
16世紀からの建物に囲まれた旧市街は
バルがひしめく。
その数、数百軒。
まあ、銀座のソニー裏通りから日航ホテル裏まで
全部バルってことだ。
チャコリ(バスク地方特有簿微発泡の白ワイン)を飲みながら、
選んだのは、
2007年ピンチョス・コンテスト・グランプリに選ばれたという、
「塩ダラの炭火焼焼き」。
ごらんのとおり、小さなカスエラ(スペイン伝統耐熱陶器)に
炭が入って網が敷かれている。
ミニ七輪だ。
店主のお兄ちゃん曰く、
その上で塩ダラをあぶって食べろという。
さらには横のパイに乗った、
炒め玉葱とパセリ入りマヨネーズクリームを、
一緒に頬張れと指示する。
それだけではない。食べた直後に、
試験管に入れられた野菜ジュースを飲めという。
さすがダリやガウディ、フェラン・アドリアを生んだ国だ。
でもバル。
ここはエルブジじゃないんだから、
凝り過ぎじゃないのと思いつつも、
食べると笑った。
炙ったタラの香りと甘みにクリームが合い、野菜が合う。
味は複雑ではない。
そしてなにより、ワインが飲みたくなる。
そこがいい。
他のタパスもいずれも一筋縄ではない懲りようだ。
客の総キャパは、ぎゅうぎゅうに詰めて30人
従業員は5人。
仕込みどうなってんだろう。
ちゃんと寝ているか?