その男は一人、手を高く突き上げ、天に向かって叫んだ。
「ウォーーーーーーー」。
ついに来た。やってやる。
喜びに満ちた雄たけびだった。
自国が、準々決勝でアルゼンチンと戦う。
湧きあがる高ぶりを抑えきれない。チケットゲートを潜った場所には、そんな男たちが大勢いた。
大男が、中年男が、子供のように喜びを体一杯に満たしている。
おばさんだってそうだ。
家族もそうだ。
その光景に、胸が熱くなる。涙が滲んでしまう。
もちろん、 アルゼンティーナも負けてない。
叫び続ける奴も
徒党を組みたがる奴も
美女も。
ワールドカップの楽しみは、こんな人たちに出会えることにもある。だって楽しそうじゃありませんか。
相当に気合はいって怖い奴もいる。
とぼけた奴も
「勝つわよ」といって去っていった女性も
サポーター同士の交流も自然に始まって、
熱いなぁ。
おい、ドイツ人話かけてんだから、顔怖いぞ。
おい、腰に手を回すなよ。
1934年に作られたというオリンピア・シュタディオン。
観客数七万二千人。
もちろんそのほとんどがドイツ人。
年齢層高く、
選手の名前が呼ばれると、全員がファミリーネームを合唱。 ドンドンドドド ドドドド ドイチェランド!!!
ドンドンドドット ウィー!!
ドイツvsアルゼンチン6/30
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