カリッ。

食べ歩き ,

カリッ。いやガリンッ。
かくも南方、18番のたこ焼きはたくましい。
凛々しい表皮に歯を立てれば、痛快な音が響いて、心を打ち鳴らす。
続いて白き姿体が顔を出す。
熱々のそいつは、ねっとりと舌に甘えて、ほのかなうま味をにじませる。
勇壮と脆弱、あるいは豪胆と軟弱。
この外と中のアンビバレントな対比が、たこ焼きなのである。
僕らはその二つに翻弄されながら、たこ焼きの魅力に落ちていく。
ほんまにうまい。
食べ終わった瞬間から、また食べに来よ。と思うたこ焼きはなかなかない。