いまの小学生は

日記 ,


いまの小学生は、公務員になりたい夢をもっているらしい。
僕らの頃は、そんな志を抱く利口はいなかった。
小学4年生の頃、「将来なりたいもの」を書くという授業があって、用紙が回ってきた。
そこにはご丁寧に、色々な職業が書いてある。
大学教授、医者、学者、会社社長、コック、警察官などはいい。
しかし天皇陛下と書いてあるのはどうだろう。
こればかりは、努力ではなる事が出来ない。
でもそんな事も、夢としてまかり通る、のんきな時代だったのである。
野球選手、宇宙飛行士、歌手というのが三大人気で、公務員は、項目さえもなかったように思う。
僕は、「建築家」という大志を抱いた。
本当は忍者になりたかったのだが、さすがにその項目はない。
どういう仕事かよく分からなかったが、なんとなくカッコイイと、思ったのである。
しかしO型で不器用ゆえ、製図が極端に下手だった。
中学の図工の時間、厚紙で各自のデザインした家を作るという、格好の授業があった。
デザイン画は先生に絶賛されたが、出来上がった家は、どう見ても家には見えなかった。
この辺りから、どうも向いてないと思い始めたのである。
次に「青年は荒野を目指す」を読んで、トランぺッターになる大志を抱いた。
ピアノ教育に挫折した親を賛同させて買ってもらい、日々練習に励んだ。
楽器の練習というのは地味なもんである。上達も遅い。半年で挫折した。
以来高校でも大学でも大志を抱くことをやめ、運動に没頭した。
就職間際となり、必要に迫られて、音楽が好きだから音楽評論家かレコード会社に入ろうと考えた。
単純である。
しかし今は、毎日パソコンに向かって駄文を綴り、日々飲み、食べ歩くのを生業にしている。
文章は、建築に似ている。と、こじつけてもいいが無理がある。
人生分からないもんである。