「自分であるために、握り続けたい」

日記 ,

「自分であるために、握り続けたい」。
目のご病気で五ヶ月間休養をなされた天野功さんは、そう言われた。
「目が良くなって、最初に握れるようになった時、修行時代に親方から握っていいよと言われて初めて握らしてもらった、あの感動が蘇りました。辛かったですが、有り難かった五ヶ月でした」。
天寿司の握りには、ドラマがある。
アジは、まずアジ自体の青臭いような香りがほんのり漂った後に、生姜とゴマの香りが追いかける。
そこに醤油パウダーの香りが加わって、アジの脂と混じり合い、うま味をそっと膨らます。
鯛の肝をかまして握られた鯛は、これもまずは春の鯛の爽やかな香りがきて、鴨頭ネギやもみじおろしのアクセントがあり、少し遅れて肝が顔を出す。
その途端、鯛は艶を帯びて酢飯と抱き合い、舌をコーフンさせるのである。
小倉にて

天寿司、全握り1中とろエレガント、塩
2イカ、トビコ、色ゴマ、カボス 後からイカの甘みが追いかける
3車海老 ゆずと塩  酸味によって甘みが引き締まる
4シメサバ 昆布とかボス。 春の優しい鯖
5平貝とうに
6平目、シソとわさびかまし
7赤身 実に滑らか
8焼きタチウオ 皮の部分を二枚づけで、わさびと柚子胡椒。香ばしい
9漬け。マグロだしに漬け、上にマグロだし引く。台の香りの後からマグロの鉄分
10キス 柚子胡椒とわさび
11アジ FB参照
12鯛 FB参照
13炙ったサザエとオクラ、サザエの香りとオクラの香りの共鳴
14ムラサキウニ
15炙りアナゴ ツメで
16ネギトロ 
17玉子焼き