「私たち人気があるみたい」。
昨夜のレストランで私たちの入った個室を、訪れる客が皆覗いて、写真を撮っていく。
私たちに人気があったわけではない。
その部屋は、オバマ大統領がキューバ訪問した際に、妻と二人の子供たち、お母様と食事をした部屋だったのである。
「SAN CRISTOBAL PALADAR」。魚料理と牛肉のステーキを得意とする店である。
しかし内装は素晴らしいものの、よくこんな治安の悪い場所にある店を選んだものだね。いやそれだけ、警備に自身がる所を見せたかったのかもしれない。
面白かったのは、まず前菜で、細かく刻んだ茄子の炒め煮である。
食べると、あれ、海苔の佃煮ようで、恐らく蜂蜜とバルサミコなどをつかっているのだろうか？　御飯が欲しくなる味である。
でも御飯はないので、チーズに乗せて食べる。その甘辛さがブルーチーズ系に、より合う。
オバマさんが食べたというサーロインステーキもよいが、同席の方が食べた、スペイン語で「犬魚」と呼ばれる魚のムニエルが素晴らしかった。
ちょっと身の締まったドーバーソールのようで、身自体にほのかな甘味がある。
それがまたバターの香りと響きあう。
ありがたくない名前だけど、なんの魚だろう。確かピラルクも犬魚と言ったような。
デザートで面白かったのは、「Timballtos de Mersedita」というグアバのシロップ煮とチーズを合わせ、シナモンを効かせたソースをかけたものと、「Leche Flits」という、甘くして固めた牛乳のフライである。
後者を強いていえば、牛乳味のういろうのフライだろうか