WCで気づいたこと。

日記 ,

WCモードが消滅した今、あえて書こうと思う。

1、歌。
ドイツVSアルゼンチン
ドイツ勝利で、ベルリンのオリンピアシュタジオンは揺れて いた。
勝利を祝福するドイツ人の、腹から絞り出した歌声が、スタジアムを揺らしている。
すると別な歌が場内放送で流れ出した。
皆 「おおっ」てなもんで、放送に合わせ、 おじいさんもおばさんも、美女も、ボランティアの係員も、 小学生も懸命に歌う。
声の限り歌う。

ピッチを見れば、選手たちが歌に合わせて踊っている。
終わると別の歌が始まった。
選手は踊り、観客は歌う。
そうして何曲も続いた。
僕らに勝利を喜ぶ歌はあるのか。
歌が続く中、僕はスタジアムを後にした。
憧れと悔しさを噛み締めながら。

2, サポーター
日本に、こんなおばさんやおじさんはまだいない。
バケットにトリコロールのリボンを巻きつけて、持ち歩くフランスのサポーター。
ちきしょう、粋だね。

オーストラリアがイタリアに負けた帰りの電車の中。 すし詰めの電車の中で、つばを飛ばして喋るイギリス人サポ ーターがいた。
70才位のおじいさんである。
日焼けした顔から、しゃがれたでかい声を出し、傍らのオージーに向かって語りかけていた。
「我々も長い道のりを歩んできた。 信じられないことや、屈辱も数多く味わってきた。 これで肩を落としちゃいけない。 道は長い。フットボールは夢を見続ける事が大事なんだ」。
そんなことをいっていた。

「わかった。四年後にまた出て、より良い成績を上げられるように応援する」。
 35歳くらいのオージーは、そういって目を輝かせた。
おじいさんは、自分の白いユニフォームの左胸についたセントアンドリュース旗をつかみ、目を細めると、なにもいわずに彼の肩を叩いた。

3, 猛暑。
ドイツに降り立ったのは、四時だった。
「なんてひどい暑さなんだ」。
熱が身体にしがみついてはなれない。
じりじり照りつける暑さではなく、体にのしかかる暑さ。
こんな暑さの中、二試合も続けて試合を行ったチームがい る。
サウナの中で15分試合を二試合やるような非常識。
しかも体力に劣り、アジリティーに勝る日本にとっては圧倒的に不利。
事前にそのことに触れたマスコミはあったのか。
15時から二試合続けたのは、セルビアモンテネグロと、トーゴと日本。
いずれもグループリーグ最下位。

ナメラレテイル。
もし報道されるように、日本のゴールデンタイムあわせたなら、我々がWCをナメテイル。
もしそうだとしたら、断罪すべきである。
われわれは成熟していかなければならない。