Astrid & Gastón

食べ歩き ,

Astrid & Gastón アストリッド・イ・ガストン
大統領選に出たら間違いなく当選するだろうという、ペルー料理を世界から注目させたスター、ガストン・アグリオ氏のレストランである。
数多くのレストランを作り、「ガストロディプロマシー ( 美食外交 )」の旗手として、自国の料理文化を世界中に伝えていっただけでなく、貧しい子どもたちでも学ぶことができる料理学校の設立など、ガストロノミーという枠をこえて人々に誇りや希望を与えていこうとしている料理人でもある。
その結果、世界のペルー料理レストランの数は2000年から2009年のあいだに45%増加。2012年11月には、ユネスコがペルー料理を無形文化遺産として宣言した。
まずはその店にいかなくちゃね、ということで1食目は、サンイシドロ地区にある「アストリッド・イ・ガストン」(2016年度世界のベストレストラン50、第30位、2015年度ラテンアメリカのベストレストラン50、第3位)に出かけた。
店は近年移転し、Casa Moreyraという300年の歴史がある、コロニアル調の白亜の建物を改造して営んでいる。
13皿からなるテイスティングメニューは、以下の通り
Mandingo bed 
 アミューズは、アンデス文化にスペイン、イタリア、中国、日本など、移民たちによる各国の食文化が入り交じったのがペルー料理であるというメッセージが込められている。こうしたクロスオーバーやフュージョン文化は、ベッドの上から生まれる(確かに!)という概念である。川海老、本だしによる日本とのフュージョン� ポテトと唐辛子のクリームにチーズのペルー伝統料理 手前の引き出しは、メロ入りエンパナーダでイタリアとのフュージョン、そしてカラプルクラ(干し芋と豚肉の煮込み料理)のコロッケは、アフリカとのフュージョン。�オカ(アンデス産芋)の中華風は、中国とのフュージョンである。
Homemade bread
 チチャデホラ(トウモロコシを発酵させた酒)のパン、ロコト(唐辛子の一種)のパン、紫芋の甘いパン、田舎風パン、ポテトとチーズのパン。バターは、奥から、トマトスモークバター、ソルティバター、アボカドバター、ラルドバター。豚の甘い香りがするラルドバターをポテトのパンに塗れば、止りません。
19th century ceviche revival 
 スズキのセビーチェ。スズキ自体の質が良く、タイガーミルクの塩味は強いが、優しい酸味や、芋(カモテ)のホックリした甘みと重なると、優美さを醸す。
ceviche in danger
 危険なセービーチェとはなにかと思えば、野菜のセビーチェ。カモテ、ビーツ、ナスタチウム、カリフラワーやナスタチウムの葉などとチーズのアイスで構成される。優しい味付けの中からかなりの辛さがにじみ出る味付け。一見優しいと思っていたのに、実は強烈に辛い。それは危険である。
nikkei Sea urchin 
日系料理へのオマージュだろうか。ウニ、そば、海苔、トビコ、ウズラの卵。この組み合わせでなら日本人は酸味は使わないが、芯の味は酸味。ウニは日本より大きいが、味わいぼけている。よく混ぜてから食べてくださいとの一言がある。
The Bachiche scallps
 帆立は二種類の調理法で、
1st raw vanilla
 生の帆立はバニラ風味のクリームソース和え。確かに生の帆立が持つ一面の素っ気ない色気がヴァニラによって、艶が出る
2nd TheCooked withchesnuts
 シートリップソースを添えたと説明される加熱した帆立。ソースはライムと柑橘のルクマ。ルクマのまあるい酸味が、絶妙な火の通しの帆立とまろやかに抱き合う。本日のベストだろうか。
Arequipeno egg
 サービスの方が、「卵の天ぷらです」といって笑う。チュペ(海老のソース)で。黄身の甘みと海老ソースが溶け合う濃厚を。黒タピオカのような黒い粒は、クシュロ(海藻)、海ブドウみたいなものか?
The quinea pig Pekinese
 クイの北京ダック風。前に上げた記を読んでね
Coast fish diversity corn
 ルーパー(ハタ科の魚)のチリソース。ゼラチン質の多い白身魚と
The Rabbit andear cereal peppermint
 ウサギのグリンピースとキノワソース、コーンフレーク。ウサギは内蔵を巻いてロール状にし、丁寧な火入れがしてある。緑の香りが立つソースとの相性がよく、ウサギがもやまで草を食んでいるような感あり。

Sucking Pig bkack bean Lima fruits
 豚のコンフィ、オレンジフィッシュソース、ブラックビーンズピュレとアップル。豚肉のコンフィで薄い皮がパリンと、クリームブリュレの表面のごとし。甘酸っぱいソースと豚の相性は良きことなり。
Andean Drunk
 アンデス人の酔っぱらい。ピスコソルベ、コーン、ワナワナ(チェリモヤに似た果物らしい)アイス。
Baklava sacha indi

最後のプティフールのプレゼンがいい。円筒のピスコいりボンボンショコラが素晴らしい

畑を備えた白亜の邸宅