新種のペラ焼きも、見逃せない。
もう一軒の店「タッチ」も尋ねた。
ペラ焼きハシゴである。
こちらはペラ焼きだけでなく、お好み焼きもやっている。
こちらでは、ベーコン、キャベツ、チーズの入った新種の「洋風ペラ焼き」がいただける。
同じように作るが、具が多い分、上から生地を少し垂らして伸ばし、裏返して焼く。
そしてヘラでペタペタと押えながら広げていく。
大阪あたりのお好み焼きでは、上からヘラで抑えようとすると「押えるな!」と叱られるが、ここは逆である。
やがてソースと青のりがふられ、大きな円盤状の「ペラ焼き」が完成する。
薄く大きいお好み焼きといってしまえば簡単であるが、お好み焼きとは距離を隔てている。
あのふっくらがない。
具が増えた分、生地の頼りなさが、妙に愛おしくなる。
その侘しさが調味料となって、しみじみとうまい。
料理とは、ゴーカだけではいけない。
そんな情緒を、「ペラ焼き」は教えてくれるのであった。