イクラの真髄

食べ歩き ,

筋子は日本語で、イクラは魚の卵を示すロシア語である。

食感は、やはりイクラに軍配が上がる。

その食感の魅力は、プチッと弾けるところにありと思っていたが、ある寿司屋で新イクラを食べて愕然とした。

弾けない。

歯に力を入れることなく、皮は柔らかにつぶれ、ねっとりとした甘味が溶け出してくる。

その官能的食感と濃厚な甘味は、まさしく命を誕生させようとする養分で、だからこそ酢飯と抱き合い、頭を痺れさせるのだと知った。