魔がさした

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魔がさした。
予定の天丼を食べるために向かったら、行列ができていた。
10分並んだが、これでは次の打ち合わせに間に合わないと思い、断念した。
他に入ろうにも、どこも行列ができている。
そこで、仕方なく空いている一軒の鰻屋に入った。
空いている、すなわち人気がないということだが、鰻はサラリーマンの昼食としては単価が高いゆえに空いているのだろうと、勝手に理由をつけて店に入った。
鰻は出てくるまでに時間がかかる料理だが、ここはサラリーマン街であるから、白焼きも蒸しもすみ、タレ焼きも半分くらい仕込み済みだろう。と勝手に想像して入った
「どれくらいかかりますか?」と聞けば、案の定「10分くらい」ですと答える。
鰻3/2匹分を乗せたという、うな重2550円を頼む。
きっかり10分でうな重が現れた。
肝吸い、フルーツ付きである。
「うな重のお作法」は、「波乱爆笑」で佐々木希さんに指南したことがある。
その後「あれやってます。周囲の人から変な目で見られますが(笑)」とよく言われた。
88通りのうな重の食べ方は、またの機会に譲るとして、まず山椒もかけずに蒲焼をちぎって食べた。
このうな重を、いかに食べ進むかの作戦を練るためである。
しまった。想定外であった。
鰻が臭いのである。
顔をしかめ、食べられなくなるような臭みではない。
そこはかとなく、臭い。
ご飯があまり恋しくならない、臭さがある。
これは困った。88通りの食べ方には、「鰻が臭い時」という想定をしていなかった。
仕方なく、

1鰻の表面(腹側)に多めの山椒をふる。(効果なし)
2両面(腹と皮側)に、多めの山椒をふる。(効果なし)
3ご飯にも山椒をふり、鰻と食べる。(効果なし)
ケッコウ臭いがしぶとい。
4珍しく、ペッパーミルに粒山椒がが入った容器があったので(確信犯か)これだ!と思い、両面に挽きかける。(効果なし)
5もはやこれしかない。鰻を細かくちぎり、ご飯と混ぜ混ぜし、さらに上から山椒をかける。掻き込む。(効果あり)
うな重を食べている感覚はまったくないが、一応の成果は示せたと思う。