「車内での携帯通話はご遠慮ください」。
「音楽の音漏れにご注意ください。意外と自分では気がついていない時があります」。
「荷物を席に置かないよう、なるべく多くのお客様が座れるよう、ご協力願います」。
博多のホームで地下鉄を待っていると、こんなアナウンスが流れた。
誰でも了解している。だからそういう行為をしている人も少ない。
でもあえて注意をうながしたくなるのが、日本社会である。
その時ふと、デリーの地下鉄を思い出した。
日中はなぜか、乗客の99%が男性である。
その男性たちがなぜか、一人客以外全員がしゃべっているのである。
満員の車内で、男性たちが勝手にしゃべっている状態を想像してみてください。もはや、うるさいを超えている。
さらにドア付近には携帯充電用のコンセントがあり、皆競ってそこに挿す。
携帯自体も使い放題で、あちこちで着信音がなり、大声で話している。
充電コンセントに挿しながら話している奴もいる。
音漏れどころか、イヤホンをしないで音楽を流している奴がいる。
なかには、バリバリとインド歌謡を流している奴がいて、周囲は迷惑がらないどころか、まったく他人の2~3人が、それに合わせて歌いだした。
その光景に男たちは微笑みながら、話し続けている。
騒音を抱えて、インドの地下鉄は走り抜ける。
なんてマナーが悪い国だ。日本人の感覚からするとそう思うだろう。
しかしマナーとは、他人に不快な思いをさせないための約束事である。
デリーの地下鉄では、ごく少数の観光客以外、こうした行為を不快だとは誰も思っていない。
ゆえにマナーは悪くはない。
そんな感覚が羨ましかった。
ちなみに別の話
メトロカードもあり、切符はなくトークンゆえ日本より進んでいるかのようだが、なぜか自働販売機がない。ゆえに窓口で行き先を告げて、その料金を払うのだが、日本人の発音ではなかなか通じない。
ようやく通じ、15ルピーを払おうと20ルピー札を出したら、5ルピーのおつりがないといわれ、「OK」といったら、そのまま20ルピーを受け取って、駅員は平然としていた。
車内での携帯通話は
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