目玉焼き論

食べ歩き ,

ハムエッグで酒を飲むのが好きだという人がいる。
かくいう僕も、その一人である。
だからといって、ハムエッグが格別好物だというわけではない。
それなのに居酒屋や定食屋で見つけると、つい頼んでしまう。
ハムエッグという料理は、料理然としていないところがいい。
頑張って作りましたという気合が、みじんも感じられないことがいい。
奥さんにしてみれば、なぜこんな家でも簡単にできる料理を、わざわざお金を払って外で食べるのか、理解に苦しむところでしょう。
でも家ではですね、ハムエッグを肴にするには肩身がせまいわけですよ。
そして男ってえのは単純にできていますから、ウィンナー炒めとかしらすおろしとか、あまり芸のない肴でちびちび飲むのが好きなんですね。
で、ハムエッグであります。
これはワイン以外、日本酒でも焼酎でも、ハイボールでもビールでも合う。
また人それぞれに流儀があって、さまざまな楽しみ方ができる。
思うにハムエッグは、必ず卵二個で作ってほしい。
卵一個のハムエッグは、ハムエッグとは呼んではいけないと、法律で決めて欲しい。
さあ定食屋の「ここや」でも見つけて頼みました。
出来立てです。
ハムを焼かないタイプでした。
① 出されたらお姿を鑑賞し、どうして食べるか考える
② まず白身に塩を振って、少し食べる。
③ 黄身を潰す。
④ 白身を黄身をつけて食べる。
⑤ 手前には醤油、奥の目玉にはソースをかける。
⑥ 黄身を白身に広げる。
⑦ 半熟の黄身がなくなった黄身の土台部分は、塩をかけてよく咀嚼する。
⑧ 皿に黄身が流れ出して残るので、それをキャベツですべて拭い取るようにして混ぜ、醤油かソースを少し垂らして食べる。
今回はこうしていただきました。
お相手はいも焼酎のお湯割です。
他にも、今はなき中野のバー、「ブリック」のハムを白身の上に乗せて焼き上げた、コペルニクス的発想の目玉焼きや、一個は許さんと言いましたが、浅草「水口食堂」のヴォリューミーなハムエッグ、浅草ヨシカミの3個のハムエッグ、錦糸町「三四郎」や立石「えびすや食堂」のハムエッグも大好きです。