花隈「洋食朝日」

清々しい食事。

食べ歩き ,

ハンバーグ定食を食べて、清清しい気分になることがあるのだろうか。
しょうが焼きやとんかつを食べて、なることは可能だろうか。
これらの料理は、清清しさから連想する高原や早朝といった穢れ無きイメージとは、ずいぶんかけ離れてる気がする。
でも、神戸で、花隈でハンバーグ定食を食べ、清清しい気分になっちゃったのである。
なっちゃたからにはしかたない。
「洋食の朝日」。
ポークチャップ、グリルチキン、ビーフカツ。しょうが焼きにオムライス。ビーフステーキ(1500円!)に豚の天ぷら!
エビフライにカキフライ。メンチカツにカレーライス。
幾多の誘惑に打ち勝ち、心をちぢに乱しながら、本採用となったのはハンバーグだった。
もう一品、単品で追加という手段もあったが、今日はやむなく辞退させていただいた。
だって朝からもう4食目だもん。
「ハンバーグ定食850円」。
脇役から紹介しよう。
キャベツ 甘くみずみずしい。
ポテサラ 卵、人参、胡瓜入り、半つぶれ系、マヨネーズの味で過ぎていず上品。イモの甘味尊重。
デミグラス 甘味と酸味バランスよくとがっていない。
目玉焼き 半熟完璧
ご飯   甘味香り充分。ほどよい固さ。幸せ気分満載
味噌汁  揚げと若布、豆腐。上等。柚子?入り
そして主役。
一口食べた瞬間、練り肉ならではの甘味があふれて、一人、だらしなあい顔になるのであった。
だらしなあい顔のまま、「うまい」とつぶやき、
すかさずご飯をかき込んでは、だらしなあい顔となり、
染み出た肉汁とソースが混っては、だらしなあい顔となり
黄味をハンバーグにからめて、だらしなあい顔をし、
ソースをご飯にちょいと垂らしては、だらしなあい顔となる。
だらしなあい顔のままお金を払い、
だらしなあい顔のまま、「おいしかったです」。と厨房に声をかける。
一分のすきもない、誠実が滲んだ味。
清清しいなぁ。
「ハンバーグ定食」を食べてこんな気分になったんは、いついらいだろう。