水レモンの気品に惚れました。

食べ歩き ,

石垣島のペンギンガーデンから、水レモンが届いた。
初めて出会う果物である。
洋梨より一回り小さく、マンゴーの形をして、枇杷色が鮮やかで、可愛い。
ペルーやブラジル原産で、ジャマイカンリリコイと呼ばれるらしい。
先端を少し切り、中から果肉を押し出すようにして食べる。
手のひらでそっと押してやると、パッションフルーツに似た果肉が、もりもりっと盛り上がってくる。
そこをスプーンてすくって食べた。
おお。ああ。
オレンジやココナッツミルクの香りがするが、爽やかで、南米の果物にありがちな、押し出しの強さがない。
甘酸っぱいが、それも穏やかである。
可憐という言葉が似合う。
つまり品があって、優しいのである。
白亜の豪邸のティーサロンが似合う。
マリアージュフレールのマルコボーロと一緒に出されたら、一気に恋をするだろうな。
惜しむらくは我が家はほど遠い。
だからせめて古リモージュの皿に乗せてやった。
目をつぶって食べればほら、優美な気分が漂ってくるでしょ。