桃 2012.07.03 食べ歩き , 岡山 , 果物 Tweet 手にずっしりと重い桃から、気品のある甘い香りが漂って、よだれが出る。 たまらずむっちりと張ったお尻に齧りつく。 その瞬間、果汁は口から溢れ、顎を伝い、滝となって縁側に落ちていった。 岡山の家で、桃売りのおじさんから買った桃は、果実というより果汁を貯めた風船だと、子供心に思った。 その果汁は、甘味を超えた品格と色気が混じり合い、舌を、脳をわしづかむ。 熟れきった、最上質の白桃は、もはや果物ではない。