「昔々神様が、世界中の古い民族を集めた。インド人、中国人、エジプト人。そしてジョージア人にも声がかかった。ジョージア人は言った。神様に呼ばれるなんて、大変名誉なことだ。まず神様をたたえて酒を捧げようじゃないか。
そして何日も宴会をしてしまった。酔っ払ってフラフラになりながら、神様のもとに向かうと、神様は言った。遅刻だ。なんで遅れたのか?と。
神様がなぜ人々を集めたのかというと、世界の人々に土地を与えるためだった。しかし遅れて駆けつけたジョージア人に、もう土地はない。
神は困った。しかし私のために飲んで遅れたのは仕方ないと、小さな土地を与えてくれた。そこは小さいながらも山があり、海があり、平野があり、豊かな土地で、実は神様が自分のためにとっておいた土地だった。
私たちジョージア人は、日本に来て、ある意味の嫉妬を覚えている。日本は自然が豊かで、色々な風景があって、どこまでもおおらかである。来る前は整理され、管理された国のイメージがあったけど、皆どこまでも自由だということがわかった。」
ジョージア人のワイン生産者のジョンは、ジョージア式宴会におけるタマダ(司会者)の正方にのっとって、こんな前口上を述べると、乾杯をした。
「ガウマルジョス! 乾杯! 誉れあれ!」
ワインを飲み干し、自家製蒸留酒チャチャをあおる。
そして酔うほどに、何曲かポリフォニーを披露し始めた。
曲は「ムラバジュール! 永久に」。
気がよく、陽気だけどさみしがり屋で、声が大きく、歌と宴会が命で、酒飲みの彼らに、ガウマルジョス!
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