料理は皿に受け入れられて笑い

食べ歩き , 日記 ,

料理は皿に受け入れられて笑い、皿は料理を抱いて溌剌と輝いている。
有田焼創業400年事業「PRODUCT JAPAN」のイベント、「Dining Baton」が銀座の「Restaurant MASA UEKI」で行われた。
総勢8窯元で協力し、同じ「青成り」と「生成り」で作られた皿に、シェフが考えた料理を盛り、それを様々なレストランでつないでいこうというイベントである。
その一つ、「アナゴの八幡巻き」と題された料理は、オーバルの皿に盛られて登場する。
新牛蒡のほのかに青々しさが漂う土の香りが、見事に太った穴子の滋味と共鳴し、カレー香が食欲を刺激する。
山と海との出会いを見つめながら、皿が嬉しそうに佇む。
楕円の皿の縁は、一片がわずかに高くなっていて、皿を持ってサービスする給仕人の仕事を容易くさせるよう作られていた。
人間の優しさが滲んだ皿の上で、穴子はいっそう安らぎ、その旨味を膨らましているようだった。