<駅弁勝負>第62番

駅弁 ,

弁当勝負第56回

今回は勝負のしがいがあった。
左も右も駅弁花盛りである。
左隣、40代前半女性ひとり旅は、「粋な味わい幕の内弁当」1000円、NRE大増製に、カフェラテ。
幕の内にカフェラテという合わせは、引っかかったが、まあいいだろう。
右隣は、大学生らしき3人連れの男女
男性1 は、奮発したね。「東海道肉づくし」1210 円に、なんとカルピスウォーター。
女性は、「焼売炒飯弁当」920円にお茶。
男性2は、「鳥照り焼き重」870円に、水分なし。
すべてJR東海パッセンジャーズの弁当である。
全員が東京駅で買った駅弁だか、僕はズルして京都駅で買った駅弁を開けた。
下鴨茶寮の「おやさい下鴨弁当」である。
これは食べる前から勝っている。
JR東海パッセンジャーズの弁当という時点で勝ちである。
左隣の女性は、カフェラテは食後まで開けず、黙々と幕の内を食べられていた。
おかずとご飯のバランスをとりながらの箸の進め方が良い。
3人組は、猛然と食べている。
若い情熱がほとばしっている。と思えば、「肉づくし」君は、カルピスウォーターをのみながらたべている。合わないだろ、普通は。
途中から、スマホでアニメを見出した。
女性が早い。
一番早く食べ終えた。
しかも「鶏照り焼き」君が、半分まで食べて、「食べる?」と聞くと、その半分を瞬く間に食べた。
受けて立つ下鴨茶寮は、さすがに非の打ち所がない。
ひろうすは噛んだ瞬間ぼたぼたと出汁が飛び出、炊き込みご飯はしみじみとうまい。
勝ったと思うが、釈然としないのは、J若者たちが食べているJR東海パッセンジャーズの弁当は、「焼売炒飯弁当」以外食べたことがないからである。
いくらJR東海パッセンジャーズのレベルが想像できるとはいえ、食べていないもので勝ち負けを判断するのは、忍びない。
駅弁勝負は、選びたくはないのに食べておかなければいけない厳しさがあることを、知らされた。

食後に、ふと斜め後ろを見ると五十代と二十代の父と息子の2人が、仲睦まじく、なにやら話しながら、シウマイ弁当を食べていた。
もし席番号か一つ後ろだったら、負けていた。
駅弁勝負は深い。

おやさい下鴨弁当 下鴨茶寮 1080円
ご飯2おかず 2価格 1箸 2特記ひろうす郷土色か個性点 1
総計9点 出し巻き玉子、煮しめ大豆、高野豆腐、金平ゴボウ、小松菜醤油漬け、なます、さつまいも蜜煮椎茸煮、ひろうす、人参煮、青紅葉麩煮、インゲン、