小麦が生きた地。

焼きたてのピッツァが運ばれる。

溶けたモッツァレラの香りと生地の香りが立ち込める。

食べれば、ぐっと生地にめり込んだ歯を、押し返す豊かな弾力。粉の力が漲っていて、いつまでも噛んでいたくなる。

笑う。

体の芯から笑う。

それがこの店のピッツァである。

「パーレンテッシ」の中野さんは、安全性追求のため、畑を買い、小麦を作った。

石臼で熱を持たないように挽き、酸化しない15日で使い切る。

その生地は、まさに「生きた地」なのだ。