僕のテディベアを、忘れて来ちゃった

日記 ,

アメリカのハイアットの話である。
ある3人の家族がホテルに泊まりに来た。
男の子のお子さんは5歳である。
数日過ごし、家族は家に帰った。
家で荷物を解いていると、子供が叫び始めた。
「大変だ、大変だ」。
「どうしたの?」
「ママ、僕のテディベアを、忘れて来ちゃった」
「あら大変、ホテルに電話する」。
すぐホテルに電話して用件を伝えると
「◯◯様大丈夫です。テディベアはお預かりしていますので、お送りいたします」とのこと。
安心して待っていると、数日でテディベアは届いた。
綺麗に包装されていて、ホテルの人の想いが伝わる。
「やったあ。僕のテディベアだ。ありがとうってホテルの人に伝えて!」
「そうだね。では手紙を書こうか」と、話していると、包みから小さなノードブックが転がり落ちた。
「なんだろう?」と思ってみると、写真集である。
どのページにもテディベアが写っていた。
レストランで食事するテディベア。
ホテルのプールサイドでくつろぐ、テディベア。
カフェでケーキを食べている、テディベア。
ジムで運動しているテディベア。
バーでカクテルを飲むテディベア。
エステで、体を揉まれているテディベア。
ホテルで過ごすテディベアの、様々な写真が貼られている。
そして最後に、一言添えられていた。
「最初は君と離れて悲しかったけど、ホテルの人が毎日遊んでくれたので、とても楽しかったよ」。