健やかさとはこういうことなんだよ。

食べ歩き ,

もう40年も牛の内臓を食べてきた。
だがこんな味には、一度も出会ったことがない。
ミノをセンマイを、ハツ元をアカセンをホルモンをシマチョウを食べながら、唸り、歓喜し、涙した。
なにしろホルモンは、クニャリとして喉越しが良く、喉に消えた後には、バターの香りがするのである。
バターですよ。皆さん。
ミノは、よくあるクニュでもザクッとでもない、しなやかな食感で、奥にうっすらと甘みがある。
センマイときたら、今まで味がなく、食感だけを楽しむ部位だと思っていたのに、噛むほどにうま味が滲むではないか。
ハツ元は、脂がいやらしくなく、ハツは猛々しい鉄分が弾けるが、綺麗な味である。
アカセン、ギアラは、草の香りが漂って、余韻が美しい。
あまつさえシマチョウは、甘い余韻に痺れて、いつまでも噛んでいたい。
健やかさとはこういうことなんだよ。
ジビーフの内臓は、そのことを教えてくれる。
大阪「遊山」にて。