今週水曜、銀座「智映」

食べ歩き ,

今週水曜、銀座「智映」。
驚きの連続。中でも、二つの仰天。
土佐清水のヒラソウダガツオ。
まず背側を食べた。身が舌にピタリと吸いついて、
その肌には、触れてはいけない純真がある。
きめ細かい肉質に、歯が抱かれるように入っていく。
濃い、鉄分のエロスがにじみ出る。
「何かいけないことをしているみたいだ」。そういうと
連れの男性二人もうなづいた。

続いて腹身。なんたることだろう。
まるで、本マグロのトロだ。
脂がぐっとのっているのに嫌みがない。
脂は舌と同化するように広がり、陶然としていると、何事もなかったように消えていく。上質な脂だけが持つ品。
しかしその奥に艶があって、とてもエロい。
「本当においしいものはエッチなのだ」。僕がそう言うと、
二人も、上気した顔で、嬉しそうにうなづいた。

2012

神楽坂「東白庵かりべ」は、大人たちが集う蕎麦屋だ。
天抜きを頼んで、八海山をやる。
エビもうまいが、つゆでぐしょぐしょになった天かすをすすりながら、
熱燗をやるのは、たまらないね。