今日もおさむちゃんのトークは、絶好調である

食べ歩き ,

「今日は、珍しく佐賀牛、もちろんメスですわ。あーこのきめ細やかさ、あなたの肌のように。ハハハ」。
「センマイは、この白いとこがピンク色が刺してなきゃ、あきません。白くなったら、捨ててしまいます。あとで拾って出しますけどね」。
今日もおさむちゃんのトークは、絶好調である。
センマイは、ふわっと歯が入ったかともうと、「シコッ、ザクッ」と、軽快な音が口の中で響きあう。
鹿児島黒毛のメスのタン元は、薄く切って刺身にし、ろく助の塩と胡麻で食べさせる。
塩によって持ち上げられた、タン脂の綺麗な甘みが、舌を流れていく。
焼けば今度は、躍動感を見せる。
歯を押し返すような勢いがあって、そいつをぐっと噛み込めば、甘い脂がしたたり落ちる。
「はい、フグの刺身」と出されるミノは、片面だけ焼き、ピンクペッパーと塩で味付けされた。
噛めば一瞬抵抗しながら、クニュッと歯を包み込み、微かな甘みをにじませる。
アウトサイド横隔膜は、しょっちゅう返しながら、火でいじめ抜き、甘辛タレをつけて、ご飯に乗せる。
ハハハハハ。脂の切れよく、肉汁とタレにまみれて、笑うしかありません。
そしてホルモンである。
キレイな脂だなあ。
だからほんの少しだけしか脂を落とさないよ。
脂側を軽く焼いてから、皮(脂と逆側)をバリッとなるまで焼いてやる。
最後に脂をもう一度軽く落として(炎に気をつけながらね)、脂を上にし、朝鮮唐辛子粉をたっぷりかけた。
唐辛子が少し辛く、脂が甘い。
唐辛子の香りが甘く、脂も甘く香る。
辛い甘い。甘い甘い。
この攻撃に力抜け、精神だけがボッキする。
いやあ、おさむちゃん、冗談ばかり飛ばしてる合間に、ちらりと見せる肉への真摯な目つき、見逃しませんでしたよ。