ホテルの朝食バイキングというのは、不思議の極みである。
先日も大阪のAPAホテルに泊まったら、ビッフェコーナーの一角に、
たこ焼が大量に盛られていた。
不思議なのはそのことではない。
年の頃40くらいだろうか、隣席に座った男性は、ご飯大盛り、味噌汁新香なし。一つの皿に塩鮭3切れ、玉子焼き4切れ。ここまではいい。
しかし二つ目の皿には、たこ焼がうず高く積まれているのである。
しかもソースをかけていない。
観測していると、まずご飯を食べ、鮭を食べ、ご飯を食べ、玉子焼きを食べ、ご飯を食べ、そしておもむろにたこ焼を食べ、その口でご飯を食べた。
たこ焼でご飯。ソースのかかっていない、しかもぬるいたこ焼でご飯。これはありなのか。
誰か、「あり」なのか教えてほしい。
しかも当然ながらと言うか、計算の内なのか、鮭と玉子焼きは先に無くなり、大量のタコ焼きだけが皿に残る。
彼はおかずを追加しようともせず、黙々とたこ焼でご飯を掻き込んでいる。
数あるおかずの中から三種類しか選ばず、さらには、
ソースのかかっていない、出汁も効いていない、蛸も小さい、膨らみ方も弱い、ぬくいたこ焼で、あれだけご飯を掻き込める彼は、偉大である。
ホテルの朝食バイキングというのは
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