ハノイの五目麺と鳥飯の実力。

食べ歩き ,

ハノイ救済報告VOL8

ホテルで朝食を食べたことは水に流し、町で朝食を!と旧市街に向かう。

路地を入ること数分。

カフェ・ブンタン、ソイガーと記された店に到着。

こっちの店はわかりやすく、屋号がないというか、料理名すなわち屋号。。

日本なら牛丼屋とか五目焼きそば屋とか、かも南蛮屋とかカレーうどん屋といった風で、

さしずめここは、「五目緬カフェ」!である。

店頭では、慌ただしく鶏飯のソイガーを作るおばさんたち

二階に上がると、成仏した鶏君が、恨めしそうにお出迎え。

僕らは三階に上がる。

テラスからはフランス植民地時代に植えられた木々が生い茂る通りが見下ろされ、

心地よい。

テラスの手すりの文様も洒落ていて

この光景は、すっかりカフェだね。

ハノイ名物「ブンタン」は、豚骨スープに、鶏肉、ブタのすり身、キクラゲ、タマネギ、錦糸卵、香草類が乗った、五目緬。

豚骨といったて、日本のようにしつこくない、あっさり脂も皆無の澄んだ味。

さらにそこへ、のこぎりコリアンダーやレモンの葉、香菜などをどしどしのせ、レモンを絞って食べるのだ。

複雑な香り、淡い味わいの交差、しみじみとうまいスープの滋味。

主張はしないがスープを吸って、口元に昇ってくるブン。

ああ幸せだ。

だがこれだけでは終わらぬのが我々で、鶏飯ソイガーも頼んだのだな。

まあシンガポールチキン的東南アジアの素朴炊き込み飯。

鶏のスープで炊いたご飯のおいしいこと。

上に載ったレモンの葉の千切りがいいアクセント。

この繊細な感覚に、心くすぐられる日本人は多いはずだね。

さてここに、ベトナム醤油で煮込んだ甘辛味の皮付き豚バラと揚げ玉子を混ぜちゃう。

淡い味に濃いお味。

これが病みつきたまりません。

さらにはソイガーを五目緬のスープにぶち込んで。

ああ誰か僕の食欲止めてくれ。