チェロ奏者と昨日話をした

日記 ,

チェロ奏者と昨日話をした。
被災地出身の彼は、チェロととエレクトーン、アコーディオンを携え
友人と二人で避難所を巡っているのだという。
二人で演奏を始めると、大勢の人が集まってくる
だが、その人たちに表情がないのだ。
感情が読み取れない顔つきで、呆然と聞いている。
しかし、15分すると
一人が泣き、全員が泣きだしたのだという。
泣きながら聞いている。
彼も泣きながら弾いた。
演奏が終わる。
すると、どの人たちも涙顔に、
人間らしい表情が宿っていた。

また被災者だけでなく、学校の先生、市の役員、医師も同様だという。
電話で話を聞きながら、涙がにじんだ。
言葉が返せない。
思いにつまされた。

週刊文春で、数々の戦場や惨劇を目撃した、不肖宮島さんが書いていた。
これよりひどい現場は見たことないと。
想像力が足りない、自分の不能に歯ぎしりする。