もはやその姿は 2013.10.03 食べ歩き , 高知 , 赤身魚 Tweet もはやその姿は、凛として、手をつけるのをためらうほど神々しい。 冬を迎えて脂を溜め込む前であるこの時期のカツオは、色気と潔さが入り交じった、自然の不思議を抱えている。 この上なく新鮮で、噛めばねっちりと舌にしなだれ、品のある脂の甘みの奥に、ひっそりとたくましい鉄分が眠っている。 一片の刺身が、意志を持ったかのように崩れていき、僕はカツオとディープキスをしている錯覚に陥って、溶けてしまった。 高知「ゆう喜屋」にて。