ご朝食でございます

日記 ,

「ご朝食でございます」。
ご朝食とは到底呼べないだろうフランクフルトからの機内食朝食で、
固めのパッキンをはがすのに苦戦していたら、手が滑ってパンが落ちた。
すかさず日本人CAが拾い
「パンが落ちましたが」。
と、トレイに戻した。
質問系だ。

僕の選択肢は5つ
1.「3秒ルールで大丈夫」と言って、床から拾い上げたばかりのパンを食べる。
2.「医者からパンは禁止されているので」と言って、捨ててもらう。
3.「床ごみの調味料も、捨てがたいのですが」と言って、新しいパンをもらう。
4.パン自体をなかったことにする。
5.「俺にどうしろっていうんだあ」と、いきり立つ。
なにしろ彼女は、「落ちましたが(どうしましょうか)」と、こちらに判断をゆだねているのである。
しかし、寝起きだったゆえとっさの判断ができない。
まごまごし、目を丸くしたまま押し黙っていると、
「新しいのとお取替えします」と、新たなパンが来た。

恐らく、パンが床に落ちても
「そのままでいいです」という奇特な方がいるので、2秒間は客の反応を見ろと、マニュアルに書かれているのだろう。

しかし、せっかく新しくしてもらったパンだ。
気分的には食べたくなかったが、無理して半分食べた。
「ほかの客のパンが足りなくなったらどうしよう」
と、心配しながら。