ああ神様、また許しを請わなければなりません。
パリで3日半7軒を食べ歩いたのですが、そのうち6軒でキャビアを食べてしまいました。
毎日三日間昼夜昼夜キャビアです。

１「etude」のスペシャリテ、キャビアのコロッケでのけぞり、
２「Alliance」では、生のズッキーニとほのかな酸味を漂わすポテトクリーム、海の豊穣が詰まった甲殻類のジュレを、キャビアがエレガントに盛り立てる。
3「KEI」では、スペシェリテである、モザンビークのエビ「モルド」のタルタルに桃とトマトのガスパチョにねっとりと絡むキャビアに陶酔しました。
4「パッサージュ53」では、生牡蠣の上に、ブッラータ、隠し味にスペックをきざみ入れたほうれん草のソースがかぶさり、それらをキャビアの塩気と食感が抱きしめる瞬間に心を震わせました。
5「SUSHI B」では、刻んだトロにキャビアが絡んで色気を醸し出します。
６そして「L’ARCHESTE」では、生牡蠣に仔牛のタルタルを合わせ、シェリーヴィネガーと白ワインヴィネガーを加えて、キャビアでくくった、純真な命の発露がある皿に、気が遠くなりました。

次第にキャビアが特別なものでなくなっていく感覚に、自らのいやらしさとこれまた顰蹙を買うだろうなあという罪悪感を覚えつつ、その後ろめたさが調味料になって益々美味しくなるのです。
ああこんなことを書くなんて、つくづく嫌味です。
それでも神様、お許しいただけますでしょうか。