〜大学の流儀〜

食べ歩き ,

〜大学の流儀〜

「味噌小さじ2、辣油小さじ2、酢醤油少々で混ぜてください」
細い路地に佇む、元町「大学」には、「おいしい味噌ダレ作り」のコツが示されている。
こうして食べなきゃ通じゃないよ。もう帰った方がいいよ。
という勢いで書いてある。
もしこれに違反したら、「お客さん困るね、それはだめだよ」と、怒られるのではないか。
よそ者はビビりながら、慎重にタレを作った。
しかし。
誰も守っていないのである。
隣の男性は、味噌小さじ4、辣油小さじ1、醤油小さじ2、酢小さじ2を入れ、どうやって餃子を食べるの? というぐらい小皿になみなみとタレが入っている。
「こんちわ」、「まいど」とやりとりしながら入ってきたおっさんは、醤油がない。
酢味噌に辣油をたっぷり入れて、焼けるのを待っている。
その隣のサラリーマンは、酢醤油と辣油に、味噌を少しだけ垂らしている。
ははは。好きにしてもいいのね。
ボクは、小皿を三つ使い、
①酢だけ→酢胡椒
②味噌だけ→味噌辣油→醤油追加
③酢味噌
と作り、順次楽しんだ。
ワンタンより少し固いといった感じの柔らかい皮で、そのくにゃりとした食感とカリッと焼けた皮の対比がおいしい大学の餃子は、とても喜んでいるようだった。
どうだ。
東京の餃子好きもなかなかやるだろと、鼻高々な気分で胸を張ったが、周囲は誰一人として、気にもかけていなかった。